友達が私の家の台所でスパゲッティーを茹でた。 私はシンクの前に椅子に座りながらざるを持ってゆであがった麺を受け止めた。 いつもは自分が茹でて、友達にざるを持ってもらうので、知らなかったんだけど、ざるに入っていくスパゲッティーは近くで見るととても魅力的だ。 仲のいい友達が横にいるから安心していてリラックスしていたのも、きっと関係ある。 平和的なクリーム色のスパゲッティーが海の水面のようにぬめりと輝きながらあつい湯気を吐き出し、私の手元に飛び込んでくるってのは、うっとりするにもってこいのシチュエーションだ。湯気越しに見上げる友達のあごや、腕も悪い物ではない。