adanae2004-11-05

ダグエイケンの展覧会を見た後、隅田川日本橋川をカヌーで下った。 それはそれは美しい風景であった。

あたりはもう暗く、地上より低い場所にある川はほんのりと都市の明かりを浴びていた。 川の水は黒く、ぬらぬらと光る。 光をうっすらと浴びながらビルの裏側を挟まれた川の上で船を漕いでいたら東京の時間や街の持っている空気をすっているのだと急に実感した。 隅田川の周りには古い建物が沢山あった。 江戸時代の石垣や明治大正の建築、そして美しい橋達。 川の下には地下鉄が走り、高速道路を川から見上げる。 現代の光が、それらを包む。 

日本の橋は川から見たときに美しく作られているそうだ。
日本橋や、名前の分からない数々の橋は確かに美しく、幽玄ですらあった。 
 
血液のように流れる東京の川の上で私は過去の人と現代の人、そして人でない物たちが作り上げた一つの場の力や魅力を考えた。

セーリングのあと、川の見えるレストランでお酒を呑みながらおいしいご飯を食べて、友達を見ていると、もう少し自分の力を抜いてその街の持っている力を借りながら遊ぶのも素敵なことなんだと思った。 その場所が作り上げてきたことを分かろうとする必要がある。 私と友達の関係も、今ここでおこっている、東京ならではことで、面白いなと思う。 良い夜だった。