凄い人

 実家に帰るとたまっているNewsweekを読む。 小さい時からの習慣で12歳で実家から離れて住み始めた時からそうしている。 (ちなみに、アエラも家には一応おいてあるんだけど、読むと暗くなるから最近は読まない。)

 6.29日号の「未来はエコでグッドデザイン/地球にも人間にもやさしい21世紀の産業革命を推進する建築家の夢」という記事は題名のテイストはさておき、ものすごく面白かった。 目から鱗が落ちまくった。  アメリカの建築家兼工業デザイナーの、ウィリアム・マクドナーのインタビュー記事で、彼の持つ環境対策などへのビジョンが語られている。 彼はいわゆる”環境活動家”のタイプではない。 ものすごく私好みのプラクティカルな人なのだ。(そう、アエラはむかつくけど、Newsweekはむかつかない)

Newsweekの記事の最初のパラグラフでは、彼はこのように説明されている。

規制の教科を呼びかけ、リサイクルを訴えるのが、普通の環境活動家。 一方マクドナーが重い描く未来社会では、工場は規制の必要がないほどに環境にやさしく、使われるのは100%再利用できる素材。 消費と生産が循環するから雇用が失われるおそれもない。 マクドナーがめざすのは、新たに産業革命をやり直すこと。 見果てぬ夢のようだが、既にマクドナーはアメリカの有力企業や中国政府と契約し、夢の現実に取り組んでいる。


彼の凄いところは、理念を本当に実践しているところだ。

  • 現在の工業は生命を脅かしている。 環境規制の教科を訴えないのは何故?


 水銀の場合で考えてみよう。 水銀は猛毒で、子供の脳にダメージを与える。 石炭工場から水銀が出るとして、その排出量を減らしても子供の安全は保証できない。 死ぬ確率が下がる程度だ。 悪を減らすだけでは善とは言えない。 有毒物質を出さないクリーンな工業、規制の必要がない産業を私たちはめざす。 これなら環境保護派も、規制を受けずに商売したい人も、政治的立場に関係したくない万人の利益になるはずだ。

  • 規制の必要の無い産業が本当に可能だと?


 (スイスにあるローナー社の繊維工場で)私たちは食べられるほど安全な繊維を作った。 突然変異誘発物質も発がん性物質も、環境ホルモンも重金属の汚染物質も、いっさい使っていない。 オゾン層の破壊、アレルギー、水質汚染を招くおそれのある化学物質もゼロだ。 私たちは一般的に使われる8000種類の化学物質を検査し、38を厳選した。 排水は飲料水とおなじくらいクリーンだった。 排水の毒性を測りにきた検査官が、計器の故障を疑ったぐらいだ。 作業員は防護服を着なくてすむようになった。 環境規制に関する事務処理もなくなり、製造コストは2割減った。


他にも中国での都市計画とか、面白くて仕方が無いことがのっていた。 
凄い。 目から鱗。 この間ウェリントンの建築週間の時に来たアメリカの建築家の講義も目から鱗だった。 建築って凄い。 


サイトも凄いので、ってか、Leeserは情報デザインからの貢献を受けまくっている人なので、どうぞチェケ。 ウェブサイトをここまで実のある物にできるってのが凄い。  &

英語版だけど、でだとNewsweekの記事の全文が読めます。