Hockney’s Alphabet

名前を知っていてもあんまりピンと来ない人がいる。 Hockneyとかその最たる人で、すごい人なんだろうなあと思いながらも別に本を探す訳でもなく日々を過ごしてきた。 今日先生からHockney's Alphabetって本をかりた。 すごい本なのよ!

Hockney's Alphabet

Hockney's Alphabet

アルファベットごとに詩なりエッセイが載ってるんだけど、それを書いている人たちもすごい。 T.S.Eliot からSusan Sontagまで。 なんて本なんだ! William Boyd、 Kazuo Ishiguro、 Stephen Spenderなどなど、一ページごとにすごい。 それに何より、彼の絵が、アルファベットの絵がすばらしくて。 アルファベット好きになれるかもしれないと思った。
The man with cameraってDVDも面白かった。 邦題はカメラを持つ男。 そのまんまじゃんか! かっこいいね。 ソビエト記録主義映画のパイオニア、ジガ・ヴェルトフによる実験的ドキュメンタリーなんだそうだ。 ウ゛ェルトフがいかなる人なのかは私は知らないけれども、大変ためになる映像でありました。 音楽とか映像とかが好きな人たち(私からしてみたら違う惑星の人間だ)にはきっととても面白いのだろうと思います。  
マイケル・ナイマン カメラを持った男 [DVD]

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あー眠たい。 休みになったら眠り惚けよう。 
それにしてもあっという間に一日が終わった。 今日博物館の中にある図書館で調べ物をしていたら、東京近代美術館刊行の図録が沢山あって思わず数冊読んでしまった。「未完の世紀 二十世美術がのこすもの」って展覧会の図録にはしびれた。 心底。 いろんな意味で。 面白かったのは1920年代から30年代までのー都市空間の成立ーってカテゴリーで、中山岩太の作品がとても良かった。 「福助足袋」は素晴らしい。 あと杉田朱堂の「○途(自分の書いた文字が読めない)を指示せぬ美の創案ー完成期、原子機、過渡期」、高村光太郎の「鯰」。 戦後でだと松本竣介東松照明「11時02分Nagasaki」、川村喜久治「地図」(東京都写真美術館で見た事がある作品で、なぜか図録で見た方がインパクトがあった)あと、建畠覚造の彫刻。 そして勿論大フィーバーの60年代。私に金縛りを与える作品及び名前がざくざくであった。 勿論我らが大将リーウーファン、高松次郎を拝む。 野田哲也「日記ー68年8月22日」植田正治の「妻のいる砂丘風景」、牛腸茂雄(もしもし聞こえますか?)荒川修作Alphabet skin。 しびれるねぇ…。 なんでわざわざこんな肝試しみたいな事を自分でしてしまったのか。 勿論義重もばっちり見ましたよ。 こうやって、作品とは関係ない金縛りみたいな、腹の底から「うおおおお゛゛…」って声が出て、いろいろな記憶が走馬灯のように走り、骨盤がきしむようなインパクトを私に未だに与えてくる60年代。 掃除機で腸を吸われている気分になる。 全ての暗闇とそこを照らす一筋の光を創造した神話時代のような妄想に取り憑かれてしまっている私は心が弱いのか。 日本現代美術史の成績はCでした。
岸田劉生の「道路と土手と塀」は素晴らしかった。 何故だか分からないが、ずっとこの作品は好きだ。 去年だかにあった芸大と現美(あのへんぴな所にあるのが現美だよね? 竹橋と混ざる。 近美とは言うけど、現美って呼ぶ? なんだか呼びにくい)の合同展覧会が懐かしい。 あと、私は鎌近の展覧会の影響をとても受けている事も分かった。 鎌倉近代美術館よ永遠なれ。
高校生のときに私には美術が分からないと深刻に街を歩いていた時、本屋のショーウィンドーにおいてある本を見て「分かるかも!」となった。 そして中に入って手に取りJapanese modern artってタイトルを見てびっくりした事がある。 何か引っかかったり惹かれたりして手に取った本が日本に関しての事だったって事は結構ある。 視覚から伝わってくる言語みたいなものってあるんだなと実感する。 最近だとLittle boyとか。 表紙のイラストが碇シンジだと気がつく前に手に取っていた。 「リトルボーイ」って文字が日本語だって気がつく前にですよ! まあ、うっすらとどこかでカタカナに似ている形だと思いはしたんだろうけれどもさ。 

Japanese Modern Art: Painting from 1910 to 1970

Japanese Modern Art: Painting from 1910 to 1970

  • 作者: Stadtische Kunstsammlungen Chemnitz,Schirn Kunsthalle Frankfurt,Kokusai Koryu Kikin,Irmtraud Schaarschmidt-Richter
  • 出版社/メーカー: Edition Stemmle
  • 発売日: 2000/02
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Little Boy: The Arts Of Japan's Exploding Subculture

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フラットメイトがエロティックジャパンとかそんな感じの本をエキゾティックジャパンと勘違いして図書館で読んでびっくりして帰ってきた事がある。 タコが女の人とセックスしている春画を見たときに私の暗さが分かった気がしたのと熱く語られた。 で、アングラについての本をお土産に借りてきてくれた。 これも十分に腹の底から「うおおおお゛゛゛…」ってなった。 タマビ恐るべし。

Angura: Posters of the Japanese Avant-Garde

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