こっちの土曜日

  • 映画祭

の季節でございます。 季節も何もいつでもなんだかの映画祭が行われているのだけれども、今回のはでかい。 時間の有り余っているニュージーランド人は映画が大好きだ…。 
今回みたいと思っているもの数本。




  • 知り合いと散歩

今展覧会をやっている知り合いから今日ギャラリーにいらして下さいと招待を受ける。 で、見に行って一緒にお茶を飲みにいった。 良い作品であったし、面白かったし、分かりやすかったけど、何かが物足りない感じもした。 私は強い刺激とか不快感ぷんぷんな作品になれている上に、ギャラリーや美術館自体に作品以上のお金がかかっていてブランドイメージが実際にそこにおかれている作品よりあるような状況をどこか普通だと思ってしまっているのだなと思いやした。 「それって美術の一つの面でしかないじゃん!」って、多くの人が言うでしょうね。 ええ、その通りでやんすよ。 もうすわけねえ。 こっちの国は結構ファインアートとデザインが分かれている。 ファインアートは全く道具として使いようがない。 しかもでかくて、インスタレーションが多いから家にも飾れない。 もう一つおまけに鑑賞者がかかわり合えるようなお得感がない作品が多い。 ストイックな「持ち物」になりようがない作品ばかりだ。 そういう違いが面白い。 知人とお互いが遠くにいて会ってなかった一ヶ月間の間に何があったからちんたらと話し合う。 自分が日本にいた間とくに何もしていなかったことが分かった。 何したの?と聞かれると「フリスビー…」としか言いようがない。 そして、映画祭のチケットを買いにいって、用心に用心を重ねちゃんと会場の下見までして解散。 家に帰った後途方もない退屈さを感じて(いつも日本から帰ってきてからすぐの時は「これから私は全く予定がない!」ってことにパニックになる。 一週間もすればそれになれるんだけどさ。)友人に電話する。 一緒にカフェに行ってお茶をする。 いろいろ話す。 友人はイラストを専攻していて、同じデザイン科の生徒と言ってもほとんどいろいろなことが違う。 だから話していて面白い。 一緒にビデオ屋に行く。 そこはずっといろいろな人に勧められていたけど一回も行ったことがない場所で、行ってみたら勧められていた理由がわかりましたよ。 すばらしかった!! 涙が出るかと思った。 一軒家を改造したビデオ屋で、面白い作品がわんさかあった。 なんでだか分からないけど、クレマスターすらあった(笑) いいのか?! なんかこの国にいるとクレマスターがすぐそばにある。 こんなにクレマスタークレマスター言っていたら、なんだかまるで私がクレマスターしか興味がない人みたいじゃないか。 すべてのコーナーで幸せだ、私、今すっごく幸せだわ、と喜び勇んでしまった。 ルーリードのドキュメンタリーフィルムとクレマスターを借りて帰る。 「人生が戻ってきた感じ! 最高に幸せ」と帰り道大はしゃぎしている私をみて友達が「安い人生だな」とつっこんできた。 いかにも。 レンタル代は$6でした。 四百円ぐらい。 本当に安い人生だな! でも、この喜びはどうしようもなくわき上がってきたんだ。 多分私の不機嫌な理由の9割6分は欲しいものが手に入らないことにある。 別に欲しいもの全部買いたいとかじゃない。 見たいし、その魅力的なものに対して私の感想を持ちたいのだ。 それができないと思い込んでいるときの私は反社会的な嫌なやつになる。 だから、魅力的なものが私が期待していた以上にある場所なんて、それがたかがビデオ屋でも好きな人と一緒にいるときと同じぐらいに喜びがある。 ああ、ビデオ屋万歳。 夜道を友達と二人で歩きながら、今なら熊谷哲也飛びができるかもと、ジャンプしてみたけれども、さすがにそれはできなかった。 しかし、ジャンプするだけでも楽しかった。 良い夜だ。

クレマスターとルーリードのドキュメンタリーを見た後に、一応学校に帰ってきた。 課題が全然進んでないんだ。   今11時54分だ。 あと六分で明日。 明日までには一応なんだかの達成をと考えていたけれども、今こうやってブログを書いている訳で、それもビデオ屋が革命的に楽しかったからだからで、いつもは全く余裕がないから自分が無駄なことをすると「今の私は「課題提出直前の自分」に恨まれるのだろう。 ああ、どうして自分に優しくなれない?」と罪悪感に苛まれるのに、今は爛々としている方が絶対お得だと思っているのです。 陽気な気持ちを持って、人生を少し簡単に受け取ろうと思えてくるから、喜びってすばらしいですね。 

Lou Reed: Rock & Roll Heart [DVD]

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THE CREMASTER CYCLE

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