普通の一日

adanae2005-08-29

普通の昼過ぎ

図書館から本の延滞の警告が着た。 昨日返さなきゃいけなかったのは知っていたけど、めんどくさくて返していなかったら延滞料が200円近くになっている。 信じられない。 なんてこった。 たった一日でですよ! ケチな学校だ。 

それと比べてビデオ屋さんは太っ腹だった。 私がBefore night fallsを一日遅れで返しに行って、「お金いる?」と聞いたら、「いんにゃ、今日はなかった事にしてあげるよ」と許してくれた。 有り難や有り難や。 店員さんのふぬけた顔を眺めながら、きっとこいつも物忘れが激しい人間なんだな、だからこんなに優しいんだと思った。

私は物忘れが激しい。 メモは取るけどすぐ無くす。 それかメモを取った事を忘れる。 物を返す日も、先生との打ち合わせも、友達との待ち合わせの時間も、砂漠に落としたコンタクトレンズのように、渓谷に落とした麦わら帽子のように、するっと落ちって、そのまま見つからない。 だからこれだけは忘れちゃいけないという事だけは、手の甲や、手首、膝なんかに書いておく。 でも忘れる。 メモした後にシャワーを浴びてしまい、ドロドロと流れていく膝の謎の暗号とかを見つけ「あわわわわ!!」となったりする事がよくある。 

昨日の夜、本気で明日する事をおでこに油性ペンで書こうか考えた。 一応鏡の前にたってペンを握り、考えては見たものの、吹き出してしまったからやめた。 そして、空想のペンでおでこにメモを残し、「きっと忘れない」と誓って、へらへら一人で喜んでいたのだ。

でも、素晴らしい事に今、おでこに何を書こうとしていたのか思い出したのです。 私は今日、この時間にHanaとお茶をする約束をしていたのだ! 脳ーー! って事で行ってきます。

普通の夜

 今日は六時から授業だった。 でも、六時から大学での上映があったので、授業には二時間遅刻していった。 最後の三十分だけ参加して、先生ににらまれた。 いっそ授業には行かない方が良かったかもしれない。


 My Arcihtectは面白かった。 ルイス・カーンの息子ナサニエル・カーンが作ったドキュメンタリーフィルムだ。 ルイス・カーンナサニエルが11歳の時に他界する。 ルイスには三つの家庭があり(それぞれに子供が一人ずついる)ナサニエルの育った家には週に一回来るかこないかぐらいだったようだ。 ルイスがなくなった時にナサニエルが幼かった上に一緒に住んでいたという事でもなく、ナサニエルの中では父は「神話」のキャラクターのようにリアリティーが薄く、しかし父を知りたいという欲求は強く、彼は父の設計した建築を回る事により父を知っていこうとする。 父の人生、父の作った三つの家庭の歴史、妻たちの人生、子供たちの人生、そして建築の歴史、それらと自分の接点、父の設計した建築物と関わり合い生きている人々との接点、それらをなんだか妙なテンションで描いていく。 ルイスは父としてあんまり良い人物ではなく、そして息子もどっか変なやつなんだけど、彼らをこの映画で結びつけていく建築物たちは限りなく美しく、全てを飲み込んだ歴史をたんたんと語りかけるかのごとく映像の上に現れる。 たとえそれが建築家の息子が父探しの為に作ったドキュメンタリーであれ、全ての話はただ巨大な建築物の中で行われている小さな話の用に見えてしまうのだ。 その建物を設計した建築家の謎に満ちた人生さえもが、なんだか結構コンパクトに感じられてしまう。 それぐらいにルイス・カーンの建築物は凄かった。 特にバングラディッシュの国会議事堂は建物であると同時に街であり国であるかのごとくに見えた。 バングラディッシュ人の建築家が、この建築を通じてバングラディッシュはデモクラシーを知ったのだと言い、そのシーンは映画全体にあったよく言えば繊細な、悪く言えばセンチメンタルな印象を凌駕し、なんだか凄い事になっていた。 息子と一緒に観客も感動。 最初っからこういうノリの話に切り替えた方が良いんじゃないかと思えた。

 息子のカメラワークが凄いのか、誰がとっても凄いぐらいに凄い建築物なのか、知識のない私には分からないけれども彼の建築物が画面に出るたびに感動の涙があふれた。 あれほどまでに美しく大きなものを私は見た事がなかった。 あの国会議事堂は凄い。

 あと息子の妙な面を直に感じる事ができる、不思議な音楽の選択方法もなんだか面白かった。 音楽がかかるたびに見ている人が笑う映画は初めてであった。 突き放して言えば無意味な音楽と言えるんだけど、でも彼は自分で映画を作りながら感動して頭の回路がこんがらがってしまったのだろうと親切に思うと、なんだか生々しくていい感じとも言えなくもない、本当に妙な音楽がひたすら流れていた。

 アカデミー賞ドキュメンタリー映画部門ノミネート作品だそうです。 で、日本でもDVDが出ているそうだ。 チェケラッチョ.

帰りに図書館で本を借りてコピーをして、気分よく夜を過ごす。 家に帰ってから、ごそごそと部屋で作業。 ちまちまとした事を繰り返す。 外は寒いし、グラフィティーやってるって勘違いされたら通報されるし、保守的に部屋の中でスプレー使ってステンシルをしていたらマジで気持ち悪くなった。 

前に同居人が課題の為に街にステンシルをしにいって、見つかったら捕まるからって事で変装してやっていて、それがもろ怪しい事をしている人の服装で笑えた。 フードはやばい。 その時の写真も。



今日の御本。

Doug Aitken: A-Z Book (Fractals)

Doug Aitken: A-Z Book (Fractals)

Art 35 Basel

Art 35 Basel

Yayoi Kusama (Contemporary Artists)

Yayoi Kusama (Contemporary Artists)

やよいちゃんの本は編集者の名前に大変ひかれる訳です。 勿論。 ええ、間違えなく。
Hockney's Alphabet

Hockney's Alphabet

Beautiful Losers: Contemporary Art And Street Culture

Beautiful Losers: Contemporary Art And Street Culture

前、スススに「Beautiful losers」って良いタイトルだよねって言ったら「全然」と言われた。 そのとき、ちょっと目が覚めた。 
Collage: The Making Of Modern Art

Collage: The Making Of Modern Art

Exhibitionism: Art in an Era of Intolerance

Exhibitionism: Art in an Era of Intolerance

All These Black Days - Between

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Flying: Practical Training for Intermediates

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