イソガワアキラ 知人との愛

五十川明なるファッションデザイナーがいる。 ってオーストラリアのブランドのデザイナーで、南半球でかなりビッグらしい。(今日知った)

 ある知人とお買い物に行き、セレクトショップに入った。 そこにベルベットにビビットな着物の柄が印刷された素晴らしいコート(羽織?)を発見した。 それはそれは涙が出ちゃうぐらいに素晴らしかった。  凄い、これは凄いよ、誰だ、アキラ?と一人で喜んでいたら「Akira Isogawa知らないの?」と知人が呆然としていた。 オーストラリアだとすっごく有名らしい。 オーストラリアを代表するファッションデザイナーなんだそうだ。 凄いな。 

 それにしても本当に愛らしかった。 「かわいい! 愛らしい!」と素直に思える服に出会うのなんていく年ぶりであろうか。 「オセアニアで青年期を過ごしている日本人」として、かなりバックグラウンドに共通点がある分、「祖国ですらこんなにかわいらしいものは見ないわ!」と自分の中の「かわいいゾーン」にばっちりストライクでした。 でも日本円でだいたい二十万円ぐらいするんだよね、その服…。 90%オフぐらいにならないかなあ…。

 五十川明さんは経歴も凄い。 オーストラリアの大学を出て、オーストラリアンファッションウィークで、デザイナーオブザイヤーをとり、その後、彼の作ったドレスを着たナオミキャンベルがVogueの表紙を飾ったとか、同じオセアニアにいる日本人として、かなり心ときめく話しだわ。 っわ、私もがんばろうと服屋でかなり熱く思ってしまった。 彼の服は一見そんなにクレバーじゃないし、本当にただただ愛らしい。 adorabulで率直に美しい。 それはオセアニアの間抜けなほどに美しい雄大さとちょびっとリンクして、でも現代的で、かなり良い。 日本の大学にいた時に日本人の子たちが敬慕している服を見て、「一体どこが良いんだろう、多分何年間か日本にいて日本の今の雰囲気が身にしみて分からないとこの良さは分からないんだろうな」と考えていた。 でもだからって、オセアニアの服が最高っすってほどに美しく見えた訳でもない。 だからか五十川明さんの服は私の色々な面で「これは率直に良いっすね!」ってのを満たしてくれる。 日本的だけど、オセアニア的。 服がある種のアイデンティティーを人に与えるのだとしたら、これほど私にぴったりなブランドってないと思いました。 (彼は関西出身で、オーストラリアに住んでいるから、関東出身でニュージーランドに住んでいる私とは、ちっとずれるんだけど、全てがぴったり一緒だったら、きっと嫌悪感を持つだろう。 このちょっとずれる感じとかすらもがオセアニア的なのよね、私にしてみたら。) あー、素晴らしい。 彼の服は素晴らしい。 今まで私の中でのアイドル的な存在であったを超えて今最大のアイドルは五十川さんだ! 

 自分のカルチュアルバックグラウンドとかを考えると、魅力的な日本的な物が自分の中にあふれていると分かる。 日々「うわー! 日本で育った事があって良かった!」と思わさせられる。 でも課題をやっている時とかに「ここで、あんなに魅力的な日本文化からの影響をモロ出ししちゃったら、他の子に速攻で勝っちゃうから公平じゃないかな…」とか結構とんちんかんな事を、その時は本気で考えちゃったりする。 それはニュージーランド文化や西洋文化とも一緒で、私の中にあふれているニュージーランドへの敬意とか、西洋文化への感謝とかも「うーん、あんまり出すべきじゃないのかも」とかなぜか思ってしまうんだ。 でも、それを出さないで何を出すんだと今日はガツンと思いました。 私が受けた日本や、ニュージーランド、イギリスからの恩恵は、受け取り側の私の個性により他の人とは違うものになっているんだと思う。 だから、それを出す事は恥ずかしい事でもなんでもない。 尊敬していて、感謝していて、この過去からの遺産を受け継ぎたいと思っているんだったら、余計もう素直になるべきだと、一人で服屋で低の袖をつかみながら考え込んでしまった。 店員さんに「昨日も来てこの服を見てたでしょ、もし売れ残ったらセールになるから、要チェックよ」と励まされながら。 知人は横で「がんばればインターンシップでいけるんじゃない?」とかえらく現実的な事を言ってくれた。 

 この要素なしでは今の私は存在しないし、これらへの尊敬なくては私は何も愛せないと思う事にシャイになったり、戸惑いを感じる必要はないんですね。 「この思いは歯を食いしばって隠しておこう」となぜかハードボイルドになってしまう私は、考えを改めました。 それをどう表現するかが問題なのだ。


podcast

村上隆堀江貴文の対談を聞く。 面白かった。 私の中の二大目が離せない人の対談。 それはそれはしびれました。 三島由紀夫石原慎太郎の対談より良かった。(偉ぶってない分、全然良い) あ−やる気が出た! 


それにしても海外で有名な日本人の名前には村上とあきらが多い気がする。 っつっても、村上春樹村上隆黒澤明と映画のAKIRAオセアニアだったら五十川明さんとかだけど、でも彼らは有名な日本人トップ10に入るだろうさ。 村上明とかって人がいたとしたら、大変覚えやすい名前だろう。