友達百人できるかな?

 今日は待ちに待った大学の初日でした! いやー、楽しかった。  そして長かった! 

 時差ぼけのせいで、かなり睡眠時間が短くなってしまい、頭の中がぐわんぐわんした状況のまま、9時の授業のために学校に駆け込みました。 初日だしってことで、学部の生徒がみんな集まって、先生のお話を聞いた。 「すっごいレーザーカッターがワークショップに入ったから!」って感じのことをかなりホットに教授が説明し始めたとき、周りの熱気を感じ、「っあ、私場違いかも。 全然、感動できない!」ってなって焦った。 なんか生徒さんたちが激しくもさいし、みんなビーサンにTシャツだし、「あたしもこれになれていくのか?!」とも焦った。 失礼な話だよね。 私の学年は24人しかいなくて、ほかの学年よりちょっと少ないらしい。 で、学年ごとにアトリエがあって、みんなで小学生みたいに机を並べて、全部の授業をそこで受けるんだ。 

 昼までずっと安全に作業するための講習会みたいなのを受けて(来週テストがある。 それに通過しないと作業室が使えない。 勉強しなきゃなー。)、次の三時の授業まで、大学の近くのカフェで友人たちとランチをした。 私だけがインダストリアルデザインで、三人シアターデザインで、ほかの三人がファインアート専攻。 彼らはおしゃれで活発な感じもありなおかつクレイジーな感じでもあり、ナイスな人たちだった。 隣の芝は青い。 


 三時からの授業は、三十分ぐらいひたすら自分たちの自己紹介で、その後はレクチャーだった。 最初の課題が「インダストリアルデザインとは何か」についての論文を書くことで、なおかつプレゼンとディスカッション付きなので、レクチャーの内容もインダストリアルデザインとは何かと語ったデザイナーたちの発言の引用の解説とかだった。 あと、自分たちが将来働くことになる状況の推測ってのがあって、例えば、きっとプロダクトマネージャーの下で働くだろうとか、仲間はハード/ソフトウェアデベロッパーやら企画部の人たちとか、エンジニアとかと協力するんだろうとか、当たり前なんだけど、口に出していわれると、意外とニッチな仕事なんだなと実感させられることを説明された。 独立して成立する仕事じゃないっていう大前提があるんだから(そんな仕事あるのかしらないけど)周りの仕事をする人たちのことにもずっとアンテナをはっておかなくてはいけないんだそうだ。 そりゃそうだ。 レクチャーはすごく面白かった。 でもちょっと寝ちゃった。

 終わり頃、「この学校を卒業した子たちはニュージーランドじゃなくて、ロンドンやニューヨークで働けるようにならなくてはいけないのだ! 生半可なニュージーランダーや、普通の奴らと今日から違う道を歩くことを思い知れ!」みたいな捨て台詞を教授がはいていた。 あたし、前提がニュージーランダーじゃないからなあとしばし感慨にふけってしまった。 でも周りの子たちは「おおお!!」ってなってて、ダイソンアワードとかそういう著名な賞を学生のうちから受賞しまくった卒業生の話とかフィリップのヘッドデザイナーになった卒業生の話とかを聞いた後に「次は俺だ!」みたいになっていた。


 今回の課題では「インダストリアルデザインとはなにかと定義をすることはできません」っていうことをいってはいけないらしい。 ディスカッションがあるから、無理矢理にでも定義していかなくてはいけない。 うーん。 どうしよう。

 とりあえず、ほとんどすべてのデザイナーが言っていた言葉は「デザインは美しくなくてはいけない」だった。 っそ、そうなのか!とちょっと目から鱗。 まさか、こんなに美、美、美しているフィールドだったとはって感じだ。 
 美の追求者だったのね…。 私は前はファインアート系のほうにいたから、なんか微妙に、「美?」ってなってしまうのも事実。 その単語ってまだ使ってていいんだっけとどきどきする。


美ねえ…。 佐々木健一郎の「美学事典」を持ってくればよかったさ。