解体新書

 今、電化製品の模型を作り、設計図を書くという課題をしています。 まずは模型作りからでした。 私は自分のデジカメを作ることにしました。 で、作りました。 次は設計図です。 始めました。 周りの人たちが電化製品を切断し始めました。 そう、私は気がついていなかったんだけど、今回の課題は切断図を書くのも含まれていたんだ。 ありえない! 私は何も気がつかずに、のうのうと自分のデジカメで課題を最後の最後の部分まで進め、既に途中提出のものは提出し終わり、最終的な課題の提出はあさってなのです。 なんてこった!! しかも気がついたのが週末で、先生にどうしようかと聞くこともできずに、夜中の大学で途方にくれました。 久しぶりに、肝が冷えたぜ…。(嘘。毎日一時間に一回ぐらいものすごい急降下で冷えたり煮詰まったり、私の肝は存在感たっぷりです) 



そういう瞬間ってなぜかシャ乱Qの悪い女が大音量で頭の中で流れるんだ。


 いろいろと細かい理由で「今週のだめな人 四月第二週ラウンド」にブッチリぎりですでになっていた私は、「今週末の終わっている人 四月第二週目ラウンド」でもばっちり勝ちました。 周りに「このデジカメは壊れているやつで、だから課題に使っているんだと思った」などと言われながら、「でもしょうがないから切るしかないよね」となんだか、みんな楽しそう。 深夜十一時、誰もが判断能力を欠落させている、夜の帳がとっくに開ききったそのとき、私は決断したのです。 とりあえず、解体すると。 「スクリュードライバー! ピノコ!」とマッチョで調子だけ良いクラスの男子を助手に、私は開けてしまいました。 美しかった。 デジカメの中はすごかったよ。 みたことがない世界…。 しかも体の中は終止氷点下。 部品のサイズをはかっているときも、私は、後ろに倒れそうになっていました。 寒くて。 肝も心も何もかもがなんだかとっても寒かった! 

で、解体新書を作り終え、元に戻すことになったとき、寒さのピークを迎えました。 その戻すことになった時点で、すでに解剖を始めてから20時間近くが経過していました。 その間ずっと私はがたがた震えながら、腹を開いていったのです。 しかもなんか胃の調子がおかしくて一回もその間食事をしていなく、集中力はゼロに限りなく近かった。

最後から三番目のねじをとめているとき(その時点でスクリュードライバーを持ったピノコは帰宅していて、私はカッターの歯をドライバー代わりに使っていた。)、ぽろっとね、眼鏡のねじぐらいのサイズのタイニーなねじは灰色のカーペットの上に落ちたのです。 私は血相をかえて探してみたのだけれども、いかんせん焦点があわない。 だって、なんか体調おかしいんだもん。 「あわわわわ」と、「今週の終わっている人 四月第三周目ラウンド」でもぶっちぎりで初日っからなったよ! もうクラスメイトは助けてくれない。 みんな「がんばれー」と口で入っているけれども自分の作業をしている。 私は惨めに床に這いつくばり、直径二ミリのねじを探したのです。 私には見つけられませんでした。

しかし、拾う神はいた! 三年生の通りすがりのお兄ちゃんが、床に這いつくばっている私を見て「それじゃーん」と指差した先に、あったのです。 カーペットの目より小さなねじが! 兄ちゃん、気違い過ぎ! 本当に、一瞬、本当に、一瞬だったの。 「あんた、本当に、本当にすごいよ! とんでもないよ! 絶対良いことあるよ! ありがとう!」と半分泣きながら私は彼に感謝し、その眼力に恐れ入ったのでした。

 そして、一回はバラバラになったデジカメは、術後、健康状態を保っているようです。 なんか普通に使える。 もしかして、Finepixって非常に優秀? 

 一回元に戻すと、なんというのか、まるで全く何事もなかったかのように、ひょうひょうとね、私の苦労もなかったかのような状態になるってのが機械のすごいところだよね。 心がないってのはすごいことだ。


とりあえず、私の週末はこんな感じ。 はあ…。


しかも、昨日友達の誕生日会にちょこっと出かけたときに気合いを入れすぎてトランポリンをして、頭上の木に腕を激しくぶつけ、腕が晴れ上がっています。 っあ、腫れ上がっています。 いたいです。